プロフィール
2008年から2011年にかけて、3枚のフルアルバムを立て続けにリリースした4人組。
1st「Maple」の素朴で瑞々しいギターポップから、2nd「MONSOON」の湿度を帯びたサウンドスケープ、そして3rd「medaca」の内省的な深みへ——作品を重ねるごとに変化を遂げながらも、根底に流れる衝動は一貫していた。「Hi Lucky」「Exotic School Girl」「犬」「あいのうた」など、アルバムごとに異なる色を見せる楽曲群は、今聴いても色褪せない。2011年の解散は、多くのリスナーにとって「早すぎた別れ」だった。
3枚のアルバムに刻まれた変遷
1st「Maple」(2008) — ギターポップを基調にした初期衝動の塊。「Hi Lucky」に代表される、勢い重視でアレンジのディテールよりも「鳴らしたい」気持ちを優先した楽曲が並ぶ。録音の質感は粗いが、それが初期作品の宿命的な魅力を形作っている。
2nd「MONSOON」(2010) — 「湿度」という言葉が最も似合う1枚。録音の解像度が上がり、アンサンブルの設計が緻密になった時期。「Exotic School Girl」の浮遊感、アルバム全体を覆う曖昧な湿っぽさは、初期の勢い一辺倒からの脱皮を印象づけた。
3rd「medaca」(2011) — 解散直前にリリースされた最終作。「犬」「あいのうた」といった、内省的で静謐な楽曲が中心。結果として「活動停止の前段としての内向」と読み取れる作品となった。
エモーショナルな側面
本バンドの楽曲を貫く感情の色は、単純な「明るい/暗い」では語れない。喪失感と再生の予感が同時に同居するような、複雑な情動が通底している。これが、ジャンル分類で「エモ」という語が部分的に当てはまる所以だ。
特に3rd「medaca」以降の楽曲は、感情を大仰に表現するのではなく、抑制された演奏の中に情動を畳み込むアプローチが目立つ。サビで爆発する定型ではなく、静かに持続する緊張が中心となる構造は、ポストエモ的とも言える。
2026年の復活
2011年の「medaca」以来、15年の沈黙を経ての復活EP「MUNASHI」は、当時のファンにとって待ち望まれた1作だった。「ダウジング」の日本語詞と静けさは、ある意味で「medaca」の路線の自然な延長として聴くこともできる。
